課題積み残しのままコロナ第7波へ 発熱外来にはすでに患者が殺到

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米田悠一郎 市野塊 枝松佑樹
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 コロナ患者を受け入れる発熱外来が少なかったり、医療機関や保健所が逼迫(ひっぱく)したりといった「第6波」の課題が積み残されたまま、感染が再び拡大している。

 東京都新宿区のクリニックでは、今週から発熱患者が急増した。毎日30人前後が訪れ、半数ほどがコロナ陽性と判明するという。多くは10代以下で、高齢者も増えつつある。

 院長は「さらに増えれば開業医が担う発熱外来はパンクしてしまう」と訴える。このクリニックの医師は院長一人。他のかかりつけ患者に対応できなくなるため、新たな発熱患者の診療は断ることも検討している。抗原検査キットの在庫も減りつつあり、足りなくなることが心配だという。

 渋谷区のかずえキッズクリニックでは、先週後半から発熱患者の来院が急増した。多くは中高生で、ほかの医療機関で診療を受けられず来るケースも目立つ。川上一恵院長は「できるだけ受けているが、限度がある」とこぼす。

 病床はどんな状況か。酸素吸入が必要な中等症以上の患者を受ける日本大学板橋病院(板橋区)では、先週から入院が増え、13日時点で60床のうち19床が埋まった。ただ、重症は1人。高橋悟院長は「重症化率は第6波と同じくらいという感触」と話す。

 感染状況はこれからどうなるのか。

 名古屋工業大の平田晃正教授らの試算では、置き換わりが進むBA.5の感染力がBA.2の1・3倍、ワクチンの予防効果は50%に低下すると仮定すると、新規感染者数は東京都で7月下旬にピークの約1万8千人に達し、9月末まで1万人台が続く。いま都内で1日数人の死者は、8月中旬に25人以上にまで増えるとみる。平田教授は急拡大の要因について、「BA.5が6月末時点ですでに拡大し、さらに季節外れの暑さで換気が悪くなっていたことも影響したと推察される」と話す。

 感染者が爆発的に増える状況…

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