在日コリアンの自殺防止へ大学教授が自助グループ アンケートも実施

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岡田玄
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 在日コリアンメンタルヘルスについて調査を続けている東洋大の金泰泳(キムテヨン)教授(社会学)が、自殺防止に向けた在日コリアンの自助グループを立ち上げる。在日コリアンは自殺率が日本全体より高い傾向もみられる一方、そうした実態が在日社会でタブー視されてきた面もあり、当事者が支え合える場所を作りたいという。実態をさらに明らかにするために、在日コリアン全体を対象としたアンケートも実施している。

 金教授は、日本国籍を取得した在日コリアン。社会学者として在日の問題に取り組んできた。

 金教授が厚生労働省の資料などを調べたところ、韓国・朝鮮籍の在日コリアンの自殺率は、ほぼ一貫して日本全体や他の外国籍住民よりも高く推移してきた。直近の2020年では、10万人あたりの自殺死亡者数が日本全体は16・7人だったのに対し、韓国・朝鮮籍は28・4人だった。韓国では、10万人あたりの自殺死亡者数は25・7人だ。

 原因を探るため、金教授が大阪の医療機関の協力を得て在日コリアンを調査したところ、日本社会にある民族差別だけでなく、家父長制的な在日社会のあり方も悩みの一因とわかった。とりわけ、女性や性的少数者は「二重の生きづらさ」に直面していたという。

 金教授は「在日コリアンの精…

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