日本女性の睡眠時間、世界的に短い理由は 特に寝ていないのは50代

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松本千聖 田渕紫織
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 毎日、眠れていますか? 国際比較調査では、「最も寝ていないのは日本の女性」という結果が出ています。特に寝ていないのは40~60代。なぜなのでしょうか。どうすればいいのでしょうか。

OECD調査では33カ国で最短

 2021年版の経済協力開発機構(OECD)の調査では、33カ国中、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と最短だった。男性より女性のほうが13分短かった。これは、日本を含む6カ国だけの傾向だった。

 NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」でも同様の傾向が見えた。休日は、さらに男女差が大きかった。例えば40代では男性は8時間23分で、女性は7時間46分だった。

 なぜ、日本の女性は十分に寝られないのか。

昔から短いと言われてきた日本の女性の睡眠時間。分析を続ける専門家も、最初は問題視できなかったといいます。そこには長く続く日本の「美徳」がありました。

 大阪府の女性(47)は、夫…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2023年3月3日10時33分 投稿
    【解説】

    日本人の睡眠時間が突出して短いことは以前から指摘されていた問題です。睡眠時間を削らなければならないビジネス環境と旧態依然とした社会環境が女性の睡眠時間をさらに短くしている図式と考えてよいでしょう。 睡眠時間の短さは、労働生産性(つまり賃金

    …続きを読む
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    藤田結子
    (社会学者)
    2023年3月4日18時56分 投稿
    【視点】

    大変興味深い記事です。さらに視点を付け足すと、家事時間の研究をしてきた社会学者・品田知美さんは、「「女性活躍」推進政策で「女性の過労死が増えるのではないか」と指摘しています。 記事中にあるように、日本は家事時間が女性に偏っています。さ

    …続きを読む
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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]