「生命の萌芽」のヒト受精卵、培養いつまで? 市民4割「判断不能」

有料記事

野口憲太
写真・図版
  • 写真・図版
[PR]

 「生命の萌芽(ほうが)」とも位置づけられるヒトの受精卵(胚(はい))を、研究のため、いつまでなら培養して実験していいのか――。国際的に受け入れられてきた「14日超の培養は禁止」というルールについて、日本で今後どう取り扱うべきかを聞いた意識調査の結果を、山梨大などのチームが発表した。一般市民では「判断できない」人が約4割で最も多かった。

 ヒトの胚は、母親の子宮で育てば胎児になる。どの段階まで体外で培養してもいいのかは長年議論され、「受精後14日」が国際的な上限となっている。これを超えると、それぞれの細胞が将来、神経になるか筋肉になるかなどの役割が決まり始めるとされるためだ。日本でも、14日超の培養を国の指針で禁じている。

 一方、14日を超えて胚を培養できれば、不妊症の治療法の研究などに役立つと期待する声もある。

 国際幹細胞学会は2021年に指針を改定。14日を超えた培養の扱いを、それまでの「禁止」から「特別な監視が必要」なものへと分類しなおした。各国のルールがどう変わるかが注目されている。

 研究チームは22年1~3月、一般市民3千人と、幹細胞などの研究者535人にアンケート。一般市民には胚研究などに関する解説動画を見てもらったうえで回答してもらった。

 日本で14日超の培養を容認すべきかたずねると、一般市民では「判断できない」が42・9%で最も多く、「容認すべき」は37・9%、「禁止すべき」は19・2%だった。

 胚研究や国内外のルールへの…

この記事は有料記事です。残り578文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません