健康茶からステロイド成分検出 国民生活センター「飲用者は受診を」

寺田実穂子
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 国民生活センターは12日、大手通販サイトで健康茶として売られていた商品からステロイド成分が検出されたと発表した。無承認・無許可医薬品の疑いがあり、販売中止を要請した。飲用している消費者に対しては、健康被害が懸念されるとして、医療機関への相談を呼びかけている。

 ステロイドが検出されたのは、大阪市都島区の「香塾(こうじゅく)」が販売する「ジャムー・ティー・ブラック」。容器包装には原産地はインドネシア・ジャワ島と記載。「花粉症の厳しい症状が緩和され通常生活が可能な状態になると報告されています」などとうたっていた。

 4カ月ほど飲んだという10代の女性の血液検査の数値に異常を見つけた医師が副腎機能が抑制されているのに気付き、飲用を止めたところ数値が改善したとの情報が寄せられ、同センターが分析した。その結果、デキサメタゾンというステロイドの一種が1グラムあたり3マイクログラム検出された。

 センターによると、デキサメタゾンは抗炎症作用があり、関節リウマチアトピー性皮膚炎などに使われている。一方、感染症の悪化やムーンフェース、けいれんなどの副作用がある。

 担当者は「急に服用をやめてしまうと、倦怠(けんたい)感や血圧の低下などのリバウンド現象を起こす可能性がある。この商品を飲んでいる方は自覚症状がなくても医療機関に相談してほしい」と呼びかけている。

 ステロイドの混入の経緯についてセンターが販売元に問い合わせたが、「明確にお答えいただけなかった」(担当者)としている。また、流通の規模については、「4年ほど前から販売していると聞いているが、具体的な販売量に関しては情報をいただいていない」(同)という。

 同社は取材に対し、「担当者が不在で答えられない」としている。(寺田実穂子)

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