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コロナ下3年の死、都市より地方で拡大 循環器の病気や老衰の死因増

有料記事編集委員・辻外記子 小宮山亮磨 野口憲太 山崎啓介

 新型コロナウイルスの感染が広がった3年間に全国で亡くなった人は、例年の水準を大きく上回っていた。コロナだけでなく、循環器呼吸器の病気、老衰といった死因で亡くなる人も増えたからだ。人口当たりの死者数の増加は、感染が拡大するにつれ、地方に広がっていた。どんな背景があったのか。

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 予測される例年の水準と、実際に亡くなった死者数を比べると、感染拡大の実相が見えてくる。

 2020年初めから22年末までに、都道府県から報告されたコロナの死者は5万7千人。一方、コロナ以外の死因も含めた国内すべての死者は、厚生労働省研究班が予測する例年の水準より13万人以上多かった。

 感染が広がり始めたばかりの20年は、予測より約3万5千人少なかった。未知のウイルスへの恐怖から感染対策が徹底されたことなどが要因とみられる。しかし、21年にデルタ株が登場すると感染は拡大。死者は予測より約5万2千人多くなった。22年には地方にも感染が広がり、予測より約11万8千人多い人々が亡くなった。

 例年の水準と比較する手法はもともと、季節性インフルエンザの深刻さを測るためにできた。直前の5年間のデータから例年並みの死者数を予測し、人口動態統計として報告された死者数と比較。多いと超過死亡、少ないと過少死亡と呼ぶ。

 予測は不確実さを伴うため、幅を持って公表される。朝日新聞は今回、幅の真ん中にあたる平均値と、報告された死者数との差を調べた。

循環器の病気や老衰が増加

 死因別では、コロナ以外に複…

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