熱帯病、10億人にリスク WHOでも「顧みられていない」支援訴え

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後藤一也
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 「顧みられない熱帯病(NTDs)」への支援を求めるため、世界保健機関(WHO)NTDs対策部長のフォール氏が15日、NTDsの根絶を目指す超党派の議員連盟(会長・松本剛明総務相)の会合に出席した。フォール氏は「10億人以上が影響を受けている問題に、すべての国、すべてのパートナーが手を携えて対応しなければならない」と訴えた。

 WHOは、デング熱狂犬病、リンパ系フィラリア症など、20種類の寄生虫や細菌感染症をNTDsに定義している。先進国では流行していないため、主要な疾患とは思われず、薬の開発も遅れているのが現状だ。熱帯の貧困層を中心に、世界の10億人以上がNTDsの感染リスクに向き合っている。

 議連ではこれまでに、マラリアや結核、NTDsの治療薬やワクチンなどの開発を進める日本発の官民ファンド「公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金」に対し、5年間で2億ドルの拠出を国に求めるなど、日本の貢献を政府に訴えてきた。

 NTDsについてフォール氏は「WHOにとっても重要なプログラムではある。だが、WHO内でも顧みられていない。これは容認できない」と話した。

 フォール氏は昨年末に現在の役職に任命されたが、その前は、新型コロナウイルス対策を含めたWHOの緊急対応の担当だった。WHOでも、NTDsに対する予算や資源などは、新型コロナ対策と比べると差があるという。

 この日の議連の会合では、内…

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