NPOが「無料産院」の取り組み 妊婦健診と出産の費用を肩代わり

足立菜摘
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 妊婦健診をほとんど受けず、駆け込みで出産に至る「未受診妊婦」への支援策として、認定NPO法人「フローレンス」が、健診と出産の費用を肩代わりする「無料産院」の取り組みを始めると発表した。1日から、提携する第二足立病院(京都市南区)で事業を開始する。

 同法人が昨年10月、経済的に困窮する妊婦の初回受診料を代わりに支払う支援を始めたところ、5カ月間で165件の相談が寄せられたという。今回の「無料産院」事業では、前年度に収入があるなどの理由で、現在困窮しながら公的支援につながれない妊婦らも対象に、提携病院での出産までの費用を継続して代わりに支払う。

 支援対象となるのは妊娠中期以降の妊婦。相談を受けたうえで、収入や生活状況をふまえ総合的に判断する。肩代わりする費用は同法人への寄付金が原資となり、妊婦側には返金は求めない。

 同法人は今後1年間で10院を目標に、全国で提携病院を募る。駒崎弘樹会長は記者会見で、「妊娠出産の経済的なハードルに加え、孤立した未受診妊婦を社会的に支援しないと、赤ちゃんの遺棄に追い込まれる事案はなくならない」と話した。(足立菜摘)

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    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2023年5月31日23時2分 投稿
    【視点】

    重要な取り組みを、先駆けて実行してきた認定NPO法人フローレンス。出産費用の肩代わりという挑戦、記事中に「フローレンス」の名前を発見し、さすが!と思わず声が出ました。 フローレンスは昨年度、外国にルーツを持つ家庭を対象とした多言語の無

    …続きを読む