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一流心理学者「後悔しない決断をしたいなら『未来の自分』と仲良くするしかないでしょう!」#2


 

未来の自分を仲良くしようぜ!の続きでーす。

 

 

前回は、「あなたの未来の自分(Your Future Self)」って本のポイントをいくつかまとめまして、

 

  • 人間が起こす意思決定のミスは、未来の自分を他人のように扱ってしまうことから起きている。

 

  • この問題を解決するには、未来の自分と仲良くするしかない。

 

ってあたりをお伝えしました。未来の自分と仲良くするための方法しとて、前回は「未来の自分へ手紙を書こうぜ!」ってトレーニングを紹介したんで、今回はさらに別の方法を見ていこうと思います。

 

 

 

ポイント4. 将来の自分に制約を加えるのもアリ

  • 未来の自分に制約を加えるのも重要な手法である。その具体的な例としては、マサチューセッツ工科大学の大学院生デイブ・クリッペンドルフが発明した「kSafe」という商品がある。

    ホールフーズの向かいに住んでいた彼は、イライラするたびに家を抜け出してスナックを買う悪癖があった。そこで彼は、電子タイマーがついた小さな金庫を発明し、その中にスナック菓子を入れ、1分から10日までのあいだ鍵をかけられるように設定。後に、彼はこのアイデアで融資を勝ち取り、高給取りの仕事を辞めてキッチン・セーフを起業した。すると、この金庫は、スナックの制限以外にも様々な用途に使えることに気づき、あとからkSafeと改名した。

 

 

  • kSafeが素晴らしいのは、私たちの未来に制約を与えてくれるところである。これは、心理学では「コミットメント・デバイス」と呼ばれ、かなり強力な効果を持つことがわかっている。誘惑を事前に取り除くことは、最も有効な方法のひとつである。

 

 

  • コミットメント・デバイスをうまく使うには、自分が望ましくない行動を取ったときに、自分に適度な罰が与えられるように設定しておくのが望ましい。2010年の研究では、禁煙した参加者に別口座へ貯蓄を積み立ててもらい、喫煙を再開した場合は、貯蓄の一部を慈善団体に寄付させた。この罰則を使った禁煙者ほど、喫煙の誘惑に耐える力が強まった。

 

  • 最近のワーキングペーパーでは、Stickk.com(自分の目標を達成できなかったら罰金を発生させてくれるウェブサービス)で行われた1万7000件以上の罰則を調査したところ、目標未達成に罰金を設定した人たちは、そうでない人たちよりも60%も高い確率で目標を達成できた。

 

  

 

ポイント5. 現在の犠牲を引き受けやすく感じさせる

  • 私たちが未来の決断に失敗しがちなのは、「なんで『現在』の自分が犠牲を払わなきゃいけないんだ……」という気持ちが発生するからである。その結果、いつも自分が割りを食っている気持ちになり、いつも他人のために何かをしているかのように思ってしまう。

 

 

  • このトラップを回避するには、「現在の犠牲はそれほど大変ではない」と感じられるようにするのがよい。ハーシュフィールド博士の研究では、あるアプリの新規ユーザーに、月150ドル、週35ドル、1日5ドルのいずれを貯蓄したいか尋ねた。その結果、1日5ドルという設定にした場合、月150ドルに設定した人の4倍が口座にサインアップした。このように、現在のインパクトを小さくして、現在の自分と未来の自分との間の緊張をやわらげるのが基本である。

 

 

  • さらに、この研究では、1日に5ドルの貯金をすると決めた場合、貯蓄の格差が縮まることもわかった。つまり、低所得者と高所得者が、同じ割合で自動積立口座に加入した。

 

 

  • また、ウォートン大学などの研究では、「健康的だが退屈なこと」と「好きなこと」を組み合わせるのも、現在の犠牲を軽くする効果がある。事実、「ジムにいるときだけ映画を見るかオーディオブックを聴ける」と設定した参加者は、ワークアウトのスケジュールを守ることに成功している。

 

 

 

ポイント6. 自分の老化を確認する

  • FaceAppやSnapChatのエイジング・フィルターなどを使い 、いまの自分の写真を老けさせ、未来の自分をシミュレートしてみるのも良い方法である。ハーシュフィールド博士の研究では、VRの鏡に参加者の老いた姿を映し、その後で「1000ドルもらったらどうするか?」と質問したところ、年老いた自分を見た人は、より多くの金額を貯蓄に回した。この傾向は、社会人を対象に再調査でも確認された。

 

 

  • 新型コロナで体重が30キロ増えたある大学生は、老人化した自分の写真を冷蔵庫のドアに貼った。これにより、ハーゲンダッツのバーを食べに冷蔵庫の前に立ったときに、老けた自分のビジュアルを見て、食欲をがまんできるようになった。

 

 

  • 年老いた自分と向き合う方法は、倫理的な選択にも影響をおよぼす。ハーシュフィールド先生の研究では、高校生に自分が40代になった姿を見せたところ、その週は素行不良がわずかに減った。

 

 

 

ポイント7. 説明責任を重ねる

  • 説明責任は、友人や権威者に自分の行動を監視してもらう方法を意味する。例えば、ダイエットに取り組む場合は、その日の食事を写真に撮って栄養士に送るような作業が考えられる。

 

 

  • 説明責任の相手は、専門家でも友人でもかまわない。もっとも重要なのは、誰かと目標を共有し、進捗状況を頻繁に共有することを約束することである。誰かに監視を依頼した人は、そうでない利用者に比べて、減量や禁煙などの目標達成に2倍成功している。

 


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