患者に強い痛みの「筋生検」、代替法を開発 「おしっこから筋肉へ」

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田村建二
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 筋肉が衰える難病・筋ジストロフィーに対する治療薬が登場し、対象となる患者が徐々に増えつつある。そんな中、課題となっているのが「筋生検」だ。薬の効果を確かめるのに欠かせないものの、筋肉の組織を切り出すため、強い痛みを伴う。代わりになる方法はないか。国立精神・神経医療研究センターの青木吉嗣部長(48)がたどり着いたのは、「おしっこから筋肉を作る」という方法だ。

 筋生検は上腕の皮膚を3センチほどメスで切開し、筋肉の組織を小指の先ほどの大きさで切り出す。薬を使う前後に細胞の状態を調べることで、どの程度効果があったかを判定する。

 デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは最近、「エクソン・スキッピング」という技術によって症状の進行を遅らせる薬が登場。いまは一部の遺伝子タイプの患者に限られているが、別の遺伝子タイプでも治験が実施され、対象となる患者は増えていく見込みだ。

 筋生検の際は皮下に局所麻酔をするが、筋肉やそれを包む「筋膜」には麻酔ができない。麻酔薬の影響で組織の状態が変わってしまう恐れがあるためだ。このため患者は強い痛みを感じ、泣き叫んでしまう子どもも少なくないという。

「負担なく採取して、変えてしまえば」

 青木さんは「負担なく採取し…

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