長年連れ添った夫婦の「最期のとき」に密着 映画で伝える家族の形

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中井なつみ
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 長年連れ添ったパートナーが余命宣告を受けたら、どうしたらいいのか。「最期の日」に臨む夫婦に密着したドキュメンタリー映画「東京夫婦善哉(めおとぜんざい) また、お会いしましょう」が「アップリンク吉祥寺」(武蔵野市)で上映中だ。

 映画の舞台は、世田谷区内の一軒家。気功家として世界で活動していた星野稔さんと、スペイン翻訳家の弥生さん(75)夫妻に、40年来の友人でプロデューサーの馬場民子さん(74)、映画監督の藤沢勇夫さん(81)夫妻が密着し、カメラをまわした。

 稔さんは2020年3月、スキルス胃がんが見つかり、余命3~6カ月との宣告を受けた。稔さんが余命宣告を受けたことを家族に伝える日、馬場さんは星野家に招かれていた。金婚式を間近に控えた夫婦がどのように病に向き合うのか。別れのときをどう迎えるのか。馬場さんは「これは残さなくてはいけないストーリーだ」と強く感じたという。

 旧知の間柄だったことで、口には出せなかった星野さん夫妻の「わだかまり」や、家族の中で交わされる会話もリアルに映すことができた。「二人の歴史をひもとくことができ、夫婦の思いや感じ方が多面的であることがわかった。見ている人も、家族や近い人との関係を見つめるきっかけになれば」と馬場さんは話す。

 稔さんは、撮影開始から2カ…

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