「労働者の犠牲やむなしと言わんばかり」 万博「残業規制外」に抗議

北沢拓也
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 大阪・関西万博のパビリオン建設の遅れを受け、主催する日本国際博覧会協会(万博協会)が、時間外労働の上限規制を建設業界に適用しないよう政府に求めたことに対し、労働問題に取り組む弁護士らでつくる民主法律協会(大阪市)は28日、抗議声明を公表した。「万博のためには、労働者の健康や生命の犠牲もやむを得ないと言わんばかりだ」と厳しく批判した。

 建設業界は人手不足を理由に、働き方改革関連法に基づく上限規制の適用が5年間猶予され、来年4月に始まる予定だ。声明は「今回の要望は、業界全体に求められる長時間労働の抑制に逆行する」と指摘した。

 さらに、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に触れ、「労働者の命と健康を軽視する要望は理念に反する」と批判。長時間労働は東京五輪パラリンピックでも起きたとし、政府に対し「万博協会に要請の撤回を求めるべきだ」と訴えた。(北沢拓也)

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