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今週半ばの小ネタ:グリシン+NACでアンチエイジング、超加工食品で発がん率が爆上がり、加工が少ない腸内細菌サポート食で大減量


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

   

 

 

 

グリシンとNACの組み合わせでアンチエイジングしまくり?

NACといえば、抗酸化機能がゴリゴリに高いことで知られる成分。アンチエイジング界隈でも非常に有望なサプリとして知られているわけです。

 

で、新たなデータ(R)もNACの話で、結論から申し上げますと、

 

  • グリシンとNACを組み合わせるとアンチエイジング効果がすごいかも!

 

みたいになります。あくまで高齢な人を対象にした研究なので注意が必要ながら、この2つのサプリをミックスすることで、老化に関するいろんな要素が改善されたんだそうな。

 

具体的には、これは61~80歳の高齢者24名と21~40歳の若者12名を対象にしたテストで、

 

  • 高齢者は16週間にわたって、グリシン+NAC(1日体重1kgあたり100ミリグラム)、またはプラセボ(アラニン;200mg/kg/日)を飲む。

 

  • 若年者は2週間にわたって、グリシン+NAC(1日体重1kgあたり100ミリグラム)、またはプラセボ(アラニン;200mg/kg/日)を飲む。

 

って感じでサプリを飲み続けてもらったうえで、歩行スピード、握力、体内の炎症や酸化レベル、体脂肪と筋肉量などをチェックしたらしい。すると、結果は以下のようになりました。

 

  • グリシン+NACを飲んだ高齢者グループは、16週間後に以下のような改善が認められた

    • 筋肉、総赤血球、体内の抗酸化物質のレベルが、それぞれ165%、225%、259%増加した。

    • 酸化ストレスレベルが低下し、体内の炎症レベルが72%減少した。

    • 歩行スピード、握力、下半身の筋力が改善した。

    • ミトコンドリアの酸化ダメージが78%増加した。

    • 糖尿病のリスク要因も64%改善した。

    • IL-6、TNF-α、sICAM1、sVCAM1、CRPといったあらゆる炎症マーカーが改善した。

    • ウエストサイズと最高血圧が低下した。

 

ってことで、これだけ見るとめっちゃよい結果ですね。もちろん、これはサプリメントグループとプラセボグループとの比較で統計的有意性を見ているわけじゃないので、おそらく実際の効果はもっと弱いと考えるべきでしょうが、わりと期待が持てる結果じゃないでしょうか。

 

ちなみに、データを見てると、プラセボグループはもちろん、若年成人グループには同じような改善がみられなかったようなんで、40歳ぐらいまでの人がグリシン+NACを飲んでも意味がない可能性はデカいっすね。そこはご注意いただければと。

 

一方で、もしかしたら私のようなアラフィフであれば、グリシン+NACの組み合わせによって、大きなメリットを得られる可能性はあるのかもですな。ちょっと試してみるか……。

 

 

 

 

超加工食品で発がん率が爆上がり?

超加工食品は良くないよねーって話はこのブログで何度もしてまして、だいたいどんなデータでも早期死亡率が上がることが示されております。でもって、新しいデータは、超加工食品についてメタ分析(R)を行っていて、超加工食品のヤバさについて、さらに正確性が高い結論を出しておりました。

 

これは11件の観察研究を分析をしもので、約43万人分のデータをもとに「超加工食品と発がん率」の関係をチェックしたものです。ここでいう超加工食品の定義は、工業的に製造されたパン、ケーキ、ペストリー、包装されたスナック菓子、キャンディー、市販のアイスクリーム、朝食用シリアル、フルーツヨーグルト、マーガリン、清涼飲料水、インスタント食品、加工肉、惣菜全般など。まぁ簡単に言えば「素地の原型がわからないもの」って感じじゃないでしょうか。

 

で、メタ分析の結果がどうだったと言いますと、

 

  • 超加工食品の摂取量が多い人ほど、コホート研究ではがん全体のリスクが12%高い。
  • 症例対照研究ではがん全体のリスクが20%高い。

 

という感じでして、研究デザインによってリスクの差はあれど、超加工食品をよく食べる人ほど、腸がん、乳がん、膵がん、中枢神経系腫瘍のリスクが増加するのは間違いないっぽいですね。

 

もっとも、ここで行われた研究の大半は、自己申告による食事アンケートをベースにしてまして、得られる情報が不十分だった可能性は本論でも指摘されてたりします。これに加えて、ひとくちに「超加工食品」と言っても、そこにはいろんなカテゴリーの食品がふくまれてまして、有害レベルは食品によってかなり異なる可能性が高いんですよね(普通に考えれば、スナック菓子よりは惣菜のほうが体に良さそうだし)。こうした問題がデータの信頼性を制限するのは間違いないんで、そこは頭の隅にでも置いといてほしいんですけど、全体的にはデータ数も多いし、良い研究じゃないでしょうか。

 

 

 

 

加工が少ない腸内細菌サポート食で大減量!

上のデータでは超加工食品の害について見てみたので、続いては、逆に加工を最小限にとどめた食品のメリットを示したデータ(R)を取り上げてみましょう。

 

こちらは17人の男女を対象にした試験で、「加工度が少ない腸内細菌サポート食」の効果を調べたものになります。腸内細菌サポート食ってのは、名前のとおり腸内環境を改善するためにデザインされた食事で、だいたい以下のような内容になってます。

 

  • 食物繊維が多い(1,000カロリーあたり約26グラム)

  • レジスタントスターチが多い

  • ひとくちあたりの食品のサイズが大きく、加工のレベルが少ない

 

みたいになります。とにかく食物繊維が多くて加工が少ない食事ほど良いってことですね。

 

実験では、上記の腸内細菌サポート食か、あるいは一般的な西洋の食事のどちらかを摂取を続けてもらい、どんな違いが出るのかをチェックしたんだそうな。ちなみに、どらの食事も、カロリー、タンパク質、脂肪、糖質の量は同じぐらいにそろえたとのこと。

 

それでどんな結果が出たのかと言いますと、こんな感じになります。

 

  • 加工レベルが低い高繊維食は、腸内フローラを良い方向に変え、カロリー吸収を減らせ、西洋の食事と比較して体重も減った。

 

たとえ同じ量のカロリーを摂取していても、加工レベルが低くて食物繊維が豊富な食事を続けると、体重がより多く減るんじゃないかってことですね。

 

データをよく見ると、西洋式の食事をしてるときのカロリー吸収率が95.4%だったのに対して、腸内細菌サポート食の吸収率は89.5%だったらしい。これは、食物繊維のおかげで、糞便に116キロカロリーが余計に放出されたのと、腸内細菌の改善によるものが大きいらしい。あらためて食物繊維のすばらしさが際立ちますなぁ……。


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