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専門家が最強のストレス対策に選んだメンタル改善テク「問題解決技法」を試してみようじゃないか



その昔、「もっとも効果的な感情コントロール法トップ10」みたいな研究について書いたんですよ。

 

この研究に参加したのは582人のセラピストで、平均年齢42歳、経験時間の中央値は4,000時間だったそうな。全体的には認知行動療法(CBT)系の人が多くて、ざっくり内訳を書いておくと、

 

  • 認知療法(18%)
  • 行動療法(25%)
  • 第三世代認知行動療法(12.0%)

 

みたいになります。その上で、みんなに「ストレス対策に役立つベストな方法ってなんですか?」と尋ねたところ、「問題解決」が1位に輝いたんですね。その他の具体的なランキングは当該のエントリをご覧いただければと思いますが、名だたるメンタルテクニックを差し置いて「問題解決」が1位に輝いたのは、なかなかおもしろ結果じゃないかと。

 

が、このエントリを挙げたところ、一部から「問題を解決できたら世話ないっすよ!」みたいな感想をいただいたんですな。そもそも解決が難しい問題が起きているから悩んでるのに、それを解決できたらストレスが減るのは当たり前でしょ!みたいな反応ですな。そりゃそう思いますよね。

 

しかし、この反応は単なる誤解でして、ここで言う「問題解決」はCBTで使われる「問題解決技法」のことで、「いま悩んでいる問題を解決しようぜ!」って考え方ではないんですよ。ややこしくてすいませんね。

 

ということで今回は、CBTにおける超定番の技法である「問題解決技法」をチェックしてみましょう。この技法は5つのステップで進みまして、だいたい以下のようになります。

 

  1. 最初のステップでは、問題を明確に定義します。いまの自分にストレスを与えている問題や、頭を悩ませている問題を書き出してみましょう。たとえば、「めっちゃ事務のミスが多い」「母親から結婚の催促が止まらない」「後輩が指示に従ってくれない」「仕事をやる気がなんもない」みたいな感じ。複数の問題を書き出した場合は、その中から、自分に最も大きなストレスを与えている問題を1つ選びましょう。


  2. 次のステップでは、ステップ1で選んだ問題に対して、思いつく限りの解決策を考えていきます。ここで大事なのは、どんなバカなことでもいいから、思いついた内容はすべて書き出していくところです。「こんなのは現実味がないな……」とか思わずに、ガンガンに書き出していきましょう。たとえば、「仕事をやる気がなんもない」って問題を選んだら、「同僚に相談」「やる気に関する本を読む」「いっそ会社を辞める」って感じで、ばかげた解決策でも書き出しちゃってください。


  3. 3つめのステップでは、ステップ2で書き出した解決策について、それぞれ長所と短所を評価していきます。たとえば、「いっそ会社を辞める」って解決策であれば、「問題が完全になくなる」が長所だろうし、短所は「収入がなくなる」になるでしょう。「同僚に相談する」の場合は、「仕事を手伝ってくれるかもしれない」が長所かもしれず、短所は「同僚にめんどくさがられるかも」みたいになるかもしれません。


  4. 4つめのステップでは、ステップ3の作業を見直ししつつ、「最もうまくいきそうな実現可能性の高い解決策はどれか?」と考えて、ひとつだけをピックアップ。その上で、選んだ解決策を実際に試してみます。


  5. 最後のステップでは、ステップ4で選んだ解決策がうまくいったかどうかを評価します。ここで、何もうまくいかなかった場合は、ステップ2またはステップ3に戻って別の選択肢を見つけてみてください。

    もし少しでもうまくいった場合は、その解決策を実行してみて、なにか気づいたことや改善した方が良いところがあった場合は、書き出しておきましょう。たとえば、「同僚に相談したら、事前の予想よりも親身になってくれた」「同僚への相談で問題が解決したわけではないが、気分は50%ぐらい軽くなった」「同僚もモチベーションの問題に悩んでいることを知り、ちょっと安心した」みたいな感じです。

 

ってことで、「問題解決技法」の基本は以上です。あくまでメンタルの改善用に開発された技法ではありますが、私としては、仕事のパフォーマンスアップにもめっちゃ役立つなーって印象を持っております。いま特にストレスを感じていない人でも、日々のタスクの棚卸しに使ってみても効果を得られるナイスな考え方ではないでしょうか。お試しあれー。

 


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