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【質問】筋肉痛は体を冷やすのがいいの?温めるのがいいの?

 


こんなご質問をいただきました。

 

筋トレ後の筋肉痛がひどいので、アイシングかウォーミングをやろうと思っています。筋肉の痛みに効果が大きいのはどちらですか?

 

ということで、筋肉痛は冷やしたほうが良いのか、それとも温めたほうがよいのか?というご質問です。私は筋肉痛があるとうれしくなっちゃうタイプなので、特に対策はしていないんですが、「筋肉痛は冷やすべきか温めるべきか?」ってのは気になるところかもしれません。

 

で、本題に入る前に、まずは筋肉痛の基本をおさらいしておきましょう。

 

  • 医学的には遅発性筋肉痛(DOMS)と呼ばれ、通常は運動を終えてから48時間後にピークに達する。
  • 通常は、普段と違うタイプの運動、または普段よりハードな運動をした時に起きる。なので、たいていの筋肉痛は、同じ運動を長く続けていれば消える。
  • DOMSは誰もが経験する症状ながら、その根本的な原因はよくわかっていない。いまのことろは、激しい運動の後、筋肉の痙攣、乳酸の蓄積、組織の損傷、炎症が組み合わさって筋肉痛が発生するのでは?と言われているが、くわしいところは謎。

 

こんな感じで、いまだ筋肉痛ってのは謎が多い現象なので、それゆえに定番の解決策も見つかってなかったりします。実はめっちゃ難しい問題だったりするんですね。

 

ただし、幸いなことに、冷温療法が筋肉痛に効くことはある程度まで明らかになっていて、怪我や関節痛、筋肉疲労、その他の一般的な痛みや疼きなどにも効果があることがわかってたりはします。では、「筋肉を冷やす」と「筋肉を温める」では、どちらが良いのかをチェックしてみましょう。現時点で判明しているポイントをまとめると、ざっくり以下のようになります。

 

 

  • 冷やすことと温めることは、どちらも痛みを和らげる効果があることが知られていますが、その働きはそれぞれ異なるため、いつ、どのように使うかを知っておくこのが大事。

 

 

  • すごーくざっくりまとめると、「体を冷やす」作業には抗炎症作用と鎮痛作用がある。これは、冷たさによって血管が収縮されて炎症が抑えられ、DOMSの症状が軽減するからである(R)。これにより、運動後24時間の筋力回復を助けるには、冷やすことが最善である可能性が高い。

    また、寒さによって血管が水道のホースを締めるように縮まり、体液が押し出された結果、腫れを修復する効果もある。そのため、体を冷やすのは、運動後の回復やケガの治療に向いている

 

 

  • 一方で、「体を温める」作業は温熱は血流を増加させるので、筋肉をほぐしたいときや、トレーニング前のウォーミングアップに適している

    また、血流の増加によって栄養が行きわたりやすくなるため、筋肉の成長を助けてくれる可能性もある。逆に体を冷やすと血管が縮まるため、筋肉の成長には良くない可能性も指摘されている。

 

  • もっとも、研究(R)によると、寒冷と温熱のどちらとも、何も使わない場合と比れば筋肉のダメージをやわらげるのに有意に優れており、どちらも筋力の低下を抑えたと結論付けていたりする。このデータだと、対照群では運動直後に筋力が24%低下したが、運動直後に寒冷または温熱を使用した被験者では4%しか低下しなかった。

 

 

といった感じになります。こうして見ると、「とにかく痛みをどうにかしたければ冷やすほうがいいし、痛みへの効果は低いけど筋肉の成長を妨げずにダメージをやわらげたいなら温めたほうがよい!」って使い分けになるんじゃないでしょうか。

 

ちなみに、「痛みをどうにかしたいけど、体を冷やすことによる筋肉の成長阻害も嫌だ」って人は、ペパーミントオイル由来の有機化合物であるメントールを使ってみるのも手です。このオイルは、皮膚に塗布すると冷たくなったような感覚を引き起こしますが、これにより脳が「いま体温が下がった!」と誤認して寒冷受容体に伝え、痛みが麻痺することがわかってたりします。

 

もちろん、実際に体を冷やすわけではないので、そこまで鎮痛の効果が高いわけじゃないし、メントールで筋肉のダメージがやわらぐわけじゃないものの、こちらも合わせて試してみると良いでしょう。日本だと「phiten(ファイテン) EXTREME RELAX JELL」あたりが有名ですかね。

 

まぁ、私の推測としては、冷却によって筋肉の成長が妨げられちゃう問題については、「全身を水風呂に浸けるレベルじゃないと、そこまで問題にならないかなー」って感じなので、個人的には冷やす方法を使ったほうがいいんじゃないかとも思ってたりします。アイシング サポーターでもいいし、マッサージボールを使ってもいいし、好きなものをお試しいただくとよろしいでしょう。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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